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研究ユニット

家族法研究ユニット

「当事者支援による家族紛争解決モデルの構築へ向けて~ ドイツ家裁調査」

unit1_img1.jpg 家族法研究ユニットでは、科研費基盤A・異分野融合研究推進事業の補助金を用いて、2011年9月13日~17日にかけて、ドイツの新しい家事紛争解決モデルを調査に行きました。
 コッヘム、ハイデルベルグ、シュトゥットガルトで実際の審理を傍聴し、ミュンヘンも含めて4つの家裁で、裁判官、弁護士、鑑定人(臨床心理士)、心理学者、メディエーター、ラインラント・プファルツ州司法大臣とセッションをしたり、研究会をしたり、ヒアリングをしたりしました。コッヘム・モデルという新しい家事紛争解決手続を作り、ドイツの家裁に広めたユルゲン・ルドルフ氏(元裁判官)にもお会いし、その経緯や仕組み、今後の課題など詳しく伺うこともできました。
 要諦は、子どものいる家事事件について、裁判官が法律を用いて勝敗をつける解決ではなく、できるだけ当事者の合意形成を促す仕組みです。当事者が家裁に申し立てる前に少年局(児童相談所と福祉事務所を兼ねたような官庁)のスタッフが父母と子と話し合い、アドバイスをしたり、心理相談や調停が必要であれば紹介します。これらで合意が作れずに裁判所へ申し立てた後も、裁判官は上記の相談を勧めるとができ、さらには心理鑑定人に対して、鑑定書作成に際して合意形成を促すことを指示することもできるのです。子どものことを一番よく知っているのは子どもの親だから、子どもの視点で離婚後の親子関係の継続性について合意を作っていこうとするのです。こうした過程を家裁が常にコントロールして、実効性を担保しています。関係者の学際的な研究会も盛んなようです。
 システムが違うので、そのまま日本に輸入というわけにはいきませんが、できるだけ対話を通じて合意形成を勧める、そのための支援の仕組みを用意し、裁判所の権威でコントロールするという手法を、日本の家事調停に応用することはできるかもしれません。
 詳しいことは、順次、立命館法学などに公表していく予定です。家族法では、法の解釈論よりも、対話による解決をいかに実現していくか、手続法と実体法の接合・連携が志向されてくるのではないでしょうか。
(家族法研究ユニット代表 二宮周平)

 

参加メンバー

立命館大学法務研究科

立命館大学法学部

立命館大学応用人間科学研究科

他大学・実務家

  • 小川富之(近畿大学・家族法)
  • 酒井一(名古屋大学・民事訴訟法、国際民事訴訟法)
  • 櫻田嘉章(甲南大学・国際私法)
  • 田中通裕(関西学院大学・家族法)
  • 床谷文雄(大阪大学・家族法)
  • 中野俊一郎(神戸大学・国際私法、国際民事訴訟法)
  • 山口亮子(京都産業大学・家族法)
  • 佐々木健(札幌学院大学・家族法)
  • 長田真里(大阪大学・国際私法、国際民事訴訟法 )
  • 松久和彦(香川大学・家族法)
  • 立石直子(岐阜大学・家族法、ジェンダー法)
  • 渡辺惺之(弁護士)

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