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研究ユニット

最高裁研究会

 日本の最高裁判所は、法の支配の要、憲法の番人としての役割を十分果たしてきていないと批判されているが、そのように批判される最高裁判決の動向をもたらした要因の一つが、最高裁裁判官の選任のありようであることは確かであろう。それゆえ、最高裁判所が法の支配の要、憲法の番人としての役割を果たしていくために、最高裁裁判官の選任過程の改革を進めることが求められている。

 本研究会は、こうした問題関心から、2010年度立命館大学研究推進プログラム(基盤研究)として、本学法科大学院、法学部の教員(法律基本科目の研究者だけでなく、法社会学研究者や実務家教員を含む)を共同研究者として、平成期の最高裁判決を対象に、判決内容と最高裁裁判官の経歴を検討し、最高裁判決と最高裁裁判官選任のありようとの関係を分析する共同研究を始めた。2010年度には、法領域(憲法、行政法、民法、刑法、刑事訴訟法)ごとに最高裁判決の傾向と裁判官構成との関係を分析することを中心課題としたが、滝井元最高裁判事や、司法記者の山口進氏(朝日新聞)に報告していただく機会や、さらに、アメリカとカナダについて専門家に最高裁判所の動向と最高裁裁判官の選任との関係を報告していただく機会ももてた。

 本研究会の共同研究は、2011年度より基盤研究(B)「現代日本における最高裁の役割と制度的・人的構成に関する実証的研究」として科学研究費補助金の交付が認められている(2013年度まで)。2011年度からは、学外の憲法研究者数人にも加わっていただき、最高裁が果たしてきた役割・果たすべき役割そのものも研究対象に加え、さらに、外国との比較も重要な柱の1つとして研究を進めている。

 2011年度においては、まず、これまでの研究活動のまとめを行い、これまでの最高裁研究の軌跡と特徴の整理を行った(第1回研究会)上で、以下の3つの柱について研究を進めた。

 本研究の第1の柱は、平成期の最高裁判決を対象に、判決内容を訴訟領域ごと、小法廷・大法廷ごとに分析し、最高裁の現実の役割と特徴に最高裁の人的構成がどのように関連するかを検討することであるが、本年度は平成11年以降の最高裁判決を対象として実施した。全体研究会では、2010年度に取り上げていない「商事判例」と「経済刑法」に関する最高裁判決を検討した(第3回研究会)。

 本研究の第2の柱である最高裁裁判官人事の分析については、全体会において下級裁判所裁判官を含む裁判官人事全体について検討を行った(第4回研究会)。さらに、最高裁判決・最高裁裁判官についてのデータベース作成に着手し作業を進めた。

 本研究の第3の柱である諸外国の最高裁の分析を通じての比較分析、類型的特徴の抽出については、全体研究会を実施した(第2回研究会、第5回研究会)上で、2012年2月から3月にかけてアメリカ、カナダ、ドイツに対する実地調査を行い、有益な知見を得た(実地調査は年度末であったため、全体会での検討は2012年度に実施した[第6回・第7回研究会])。

 本研究会としては、2013年度に最高裁裁判官任命過程改革案の提示を行うと共に、国際的なシンポジウムを開催する予定である。なお、それまで研究成果は、随時、立命館法学等において公表していきたい。
(研究代表;市川正人

 

2011年度研究会

第1回研究会

2011年6月3日

渡辺千原(本学法学部)「最高裁判事の判決行動のメカニズム:まとめと課題」

第2回研究会

2011年8月5日

松井茂記(ブリテッシュ・コロンビア大学ロースクール)「合衆国最高裁判所裁判官の任命のプロセス-最高裁判所の裁判官はどのようにして選ばれるのか」

第3回研究会

2011年9月22日

村田敏一(本学法科大学院)「商事判例の形成と最高裁の機能」

松宮孝明(本学法科大学院)「経済刑法に関する最高裁判例の動向」

第4回研究会

2011年11月11日

明賀英樹(元日弁連事務総長・大阪弁護士会)「最高裁から下級審までの裁判官人事の特徴、事務総局による人事政策の変遷」

第5回研究会

2011年12月6日

毛利透(京都大学法学研究科)「ドイツ連邦憲法裁判所・連邦通常裁判所の裁判官選任について」

 

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